目次
認知症の症状は人それぞれである
職場の中で
「あの人は短期記憶が低下しているから・・・」
「あの人最近ぼーっとしてますね」
などの会話がよくある。
まだこれなら良いが
「あの人は認知症だから・・・」
という会話はさらに多い。
言いたい意味は分かるが、何をもって”認知症”と言っているのだろうか?
今回は記憶に関して重点的に書いてみた。
認知症の症状の理解をしよう
認知症の症状には大きく分けて中核症状と周辺症状がある。
中核症状には
記憶障害、失語・失行、遂行機能障害、生活機能障害がある。
周辺症状には
幻覚、妄想、抑うつ、不安、不眠、興奮、不穏、攻撃性、徘徊、無為などがある。
これらの症状は出るものもあれば、出ないものもある。
つまりすべての症状がすべての人に当てはまるものではない。
ただ、認知症の多くの人に当てはまるものが記憶障害である。
この記憶障害があると関わる人にとってその人は認知症にされてしまう。
記憶障害は人それぞれ
記憶には大きく分けて
陳述記憶と非陳述記憶がある。
陳述記憶とは
思考過程と関連して使用することができる記憶であり
さらに長期記憶と短期記憶に分けることができる。
非陳述記憶とは
別名手続き記憶と呼ばれ、自転車の乗り方など
一度覚えてしまえば忘れないものである。
これは認知症になっても障害されにくいものである。
記憶障害と物忘れ
記憶障害と物忘れの違いは何だろうか?
記憶障害とは
忘れてしまうというよりは覚えておくことができないという
記憶を保持し続けることができない”病態”のことだと考える。
物忘れとは
忘れたというよりは何かきっかけをもらうことができれば
思い出すことができる”状態”のことだと考える。
文字にすると少しの違いかもしれないが
日常生活を送ろうとすれば大きな違いになる。