臨床実習

長期目標、短期目標は具体的な言葉、数字使って示そう

目次

長期目標と短期目標をたてる理由

症例レポートを作る際
長期目標と短期目標は
評価した全体像からアプローチに入る際の
重要な分かれ目です。

なぜ分かれ目かというと、ここでしっかりとした目標ができないと
次にたてる治療プログラムや
アプローチの部分が非常にあいまいになってしまうからです。

目標をたてよう

目標は「SMART法」で考えよう。

  1. Specific=具体的であり、わかりやすい
  2. Measurable=測定可能、数字で示される
  3. Action-oriented=同意が得られている、達成可能
  4. Realistic=現実的であり、結果志向
  5. Time-limited=期限がある

長期目標も短期目標もこれに沿って考えるとより具体性がみられ
結果として今後のアプローチの方向性が定まります。

良くある悪い例

たとえば、良くある例が

長期目標:ADL自立

短期目標:歩行自立
○○の介助量軽減

このような感じのレポートをよく見ます。

さあ、どこが問題なのでしょうか?

ADL自立

  • 何をもって自立とするのか?
  • 何のADL?
  • ADLが自立すればそれで良いの?

歩行自立

  • 歩行手段は?
  • どのくらいの距離で自立?
  • 何のために歩くの?
  • どこを歩ければ良いの?

○○の介助量軽減

  • 何をもって軽減したというのか?
  • どのくらい軽減したら良いの?

挙げればきりがないですよね?
それはたてた目標に具体性がないからです。
また数字も入っていないため程度がわからないことが問題点になります。

少し具体性を持たせると

長期目標:自宅内の生活で介助がなく生活が行える
杖をついて○○m先の店に行くことができる

短期目標:自宅内を独歩で移動できる
屋外を杖をもって○○m歩くことができる
着替えが一人でできる

まだまだ目標のたて方は具体性がないですが
数字や目的地があると今後どうなるのか見えやすくなります。

最初に書いた目標よりは、その人の生活が見えてきたように思えます。

短期目標達成→長期目標達成

長期目標と短期目標にはつながりを持たせることが必要になります。
短期目標をいくつか達成すれば
長期目標をひとつは達成できているでしょう。

たてた目標がそうなっていなければ
それはただの目標であってリハビリを行う上では
あまり関係のないものになってしまいます。

目標を立てるということは
その人の今後の生活を見ることになります。

今までどのような生活を送ってきて
今後はどのような生活を送るのか

それを考えるのが、目標設定です。

ここで、あいまいにしてしまうと今後のアプローチを
何して良いのか分からなくなります。

そして、自分の症例になっていただいている人のことを
何も見えていない、もしくは見ていないと
言っているのと同じことになってしまいます。

最初は自分の願望になっても良い

  • この人にこういう風になってほしい
  • こんな生活ができるようになってほしい
  • これができると良いな

少し大袈裟ではありますが、話をしているうちに自然になると思います。
その中から徐々に絞っていったり
達成の現実性を考えるのもまた療法士の仕事です。

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