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栄養状態の把握
栄養状態が悪いと身体機能回復のための身体活動が
かえって身体への負担増大となってしまいます。
では栄養状態が悪いと身体にどのような影響があるのか?
低たんぱく血症
低たんぱく血症とはたんぱく質を作るよりも
消費してしまうほうが多い状態のことを言います。
何を意味するかというと
身体状態が悪化し、原料となるアミノ酸が不足して
たんぱく質を体の中で作り出せない状態
または
肝機能が低下したんぱく合成ができない状態など
新体内で合成ができていない状態です。
さらに
創傷などにより浸出液が多く出されると
それとともにたんぱく質が失われます。
腎機能が低下してしまうと
ネフローゼ症候群により腎臓よりたんぱく質が失われます。
低たんぱく血症には
体内での合成低下と体外への喪失が関係しています。
身体への影響
栄養状態が悪い場合カロリーが不足しやすく
身体活動により筋肉組織であるたんぱく質や
脂肪を分解しカロリーとして消費してしまいます。
それによりカロリー消費が増大し
身体をよくしようとする活動そのものが
身体状態を悪化させてしまう原因になりまねません。
また低栄養の状態は
下肢などに浮腫を引き起こしやすく
その影響で皮膚が弱くなります。
この場合ささいな接触や摩擦により
傷を作りやすくなります。
身体活動が落ちていたり
もともとやせ形の人は
それが影響で褥瘡の発生にもつながります。
さらに栄養状態が大変悪い場合には
胸水・腹水・肺うっ血を招きやすく
呼吸状態の悪化にかかわることもあります。
この場合低酸素症状や呼吸状態の観察が重要になります。